| Humerus(上腕骨)Humerus じょうわんこつ [TA: A02.4.04.001] Feneis: 036 02 |
上腕骨は典型的な長管状骨であるが、上端は半球状にふくらんで上内側を向き、下端は前後に扁平である。上端の半球状の部分は大きな関節面で上腕骨頭といい、その基部の周囲にある浅いくびれを解剖頚という。上腕骨頭の前外側には2個の隆起があり、口蓋側のものを大結節、前内側のものを小結節という。両結節の下部はともに下方へ細長く延び出して、それぞれ大結節稜および小結節稜を作っている。大小の結節および結節稜の間には上下に走る溝があり、結節間溝という。大小稜結節のすぐ下で、上腕骨体に移行する部位は骨折を起こしやすく外科頚とよばれる。上腕骨体は上腕骨の大部分を占める骨幹の部分で、上半は円柱状、下半は三角柱状であり、下端は前後に扁平である。上腕骨体の外側面には、大結節稜のすぐ下からはじまり、上腕骨体の中央に達する三角筋粗面がある。この粗面の後下方には橈骨神経溝という浅い溝があり、上腕骨体の後面を状内側から下外側に向かってラセン状に走っている。上腕骨の下端部は著しく扁平に広がり、内側方に内側上顆、外側方に外側上顆が突き出しており、内側上顆の後面には尺骨神経溝がある。この二つの上顆の間には前腕の骨と連結する上腕骨窩があり、内側の上腕骨滑車と外側の上腕骨小頭に区別される。前者は中央が浅くくぼんだ円柱状で尺骨の滑車切痕と関節をつくり、後者は小半球状で橈骨頭窩に面している。上腕骨下端部前面には二つのくぼみがあり、滑車の上方にあるものを鈎突窩、小頭の上方にあるものを橈骨窩という。これは肘を強くまげたときに尺骨の鈎状突起および橈骨頭がはまりこむところである。また、後面には滑車のすぐ上方に楕円形の深いくぼみがあり肘頭窩という。これは肘をまっすぐに伸ばしたときに尺骨の肘頭がはまりこむ場所である。鈎突窩と肘頭窩はうすい骨質をはさんで前後面から互いに相接しているが、このうすい骨質に孔があいていることがあり、これを滑車上孔という。内側上顆の上方にはまれに小さい突起がみられることがあり、これを顆上突起という。顆上突起と内側上顆の間には靱帯が張り、その間を正中神経が通過する。また、この靱帯からは円回内筋の一部がおこる。
|
|


前面

後面






| Caput humeri(上腕骨頭)Head of humerus じょうわんこつとう [TA: A02.4.04.002] Feneis: 036 03 |
上腕骨の上端では、まず半球状の大きな関節面があり、これが上腕骨頭で、その頂点は内側方を向くが、多少後上方にずれている。
| Collum anatomicum(上腕骨の解剖頚)Anatomical neck of humerus じょうわんこつのかいぼうけい [TA: A02.4.04.003] Feneis: 036 04 |
上腕骨頭の周囲は浅い溝で区切られているので、ここに軽度のくびれが生じている。このくびれが理論的な意味での解剖頚である。
| Collum chirurgicum(上腕骨の外科頚)Surgical neck of humerus じょうわんこつのげかけい [TA: A02.4.04.004] Feneis: 036 05 |
大・小結節と上腕骨頭のすぐ下方でこの骨の上端が円柱状の部分に移行するところは骨折を起こしやすい場所なので外科頚とよばれる。上腕骨の内側面(やや後方寄り)にはこの外科頚と解剖頚がほぼ一致する場所がある。
| Tuberculum majus(上腕骨の大結節)Greater tubercle じょうわんこつのだいけっせつ [TA: A02.4.04.005] Feneis: 036 06 |
上腕骨頭の外側には2個の隆起が見られる。そのうち外側方を向く大きいほうが大結節(棘上筋・棘下筋・小円筋が付く)である。
| Tuberculum minus(上腕骨の小結節)Lesser tubercle じょうわんこつのしょうけっせつ [TA: A02.4.04.006] Feneis: 036 07 |
上腕骨頭の外側には2個の隆起が見られる。そのうち前面に突出する小さい方が小結節(肩甲下筋が着く場所)である。
Sulcus intertubercularis(上腕骨の結節間溝)Intertubercular sulcus じょうわんこつのけっせつかんこう [TA: A02.4.04.007] Feneis: 036 08 大・小の結節(および大・小の結節稜)の間には幅1cm弱の結節間溝(上腕二頭筋の長頭の腱が通る)が上下に走っている。
Crista tuberculi majoris; Labium laterale(大結節稜、結節間溝の外側唇)Crest of greater tubercle だいけっせつりょう、けっせつかんこうのがいそくしん [TA: A02.4.04.008] Feneis: 036 09 大結節は数cm以上にも及ぶ長い稜線を下方に送っており、その稜線は大結節稜(大胸筋が付く)とよばれる。
Crista tuberculi minoris; Labium mediale(小結節稜、結節間溝の内側唇)Crest of lesser tubercle しょうけっせつりょう、けっせつかんこうのないそくしん [TA: A02.4.04.009] Feneis: 036 10 小結節は数cm以上にも及ぶ長い稜線を下方に送っており、その稜線は小結節稜(大円筋と広背筋が付く)とよばれる。
| Corpus humeri(上腕骨体)Shaft of humerus じょうたいこつたい [TA: A02.4.04.010] Feneis: 036 11 |
上腕骨体は上腕骨の骨幹をなす柱状の部分で上半は円柱状で、下半は三角柱状、ことに下端に近いところは前後に圧されてやや平たい。上部の外側で大結節稜の下にやや大きい上に開いたV字型の三角筋粗面(三角筋のつく所)がある。
Facies anteromedialis(上腕骨の内側前面)Anteromedial surface of humerus じょうわんこつのないそくぜんめん [TA: A02.4.04.011] Feneis: 036 12 上腕骨体の下半部には前縁、内側縁および外側縁がみとめられ、前縁は円いが内外両側縁は下端に近づくと鋭くなる。この3縁の間の内側前面、外側前面および後面には多くの筋が起こり、または付く。そのおもなものには後面の上腕三頭筋内側頭、後面上部の上腕三頭筋外側頭(この両頭の付着部の間に橈骨神経溝がある)、前面下部の上腕筋などがある。上腕骨体の内側縁中央部には栄養孔があり、下方に向かって骨に入る。
Facies anterolateralis(上腕骨の外側前面)Anterolateral surface of humerus じょうわんこつのがいそくぜんめん [TA: A02.4.04.012] Feneis: 036 13
Facies posterior(上腕骨の後面)Posterior surface of humerus じょうわんこつのこうめん [TA: A02.4.04.013] Feneis: 036 14 上腕骨体の後面を上内側から下外側に向かってラセン状に走っている。
Sulcus nervi radialis(橈骨神経溝)Radial groove とうこつしんけいこう [TA: A02.4.04.014] Feneis: 036 15 橈骨神経溝は上腕骨体の後面には上内側から下外側に向かい巻き付くように走る浅い溝である。
Margo medialis(上腕骨の内側縁)Medial border of humerus じょうわんこつのないそくえん [TA: A02.4.04.015] Feneis: 036 16 上腕骨内側にある鋭い骨縁。
Crista supraecondylaris medialis; Crista supracondylaris medialis(内側顆上稜、内側上顆上稜)Medial supraepicondylar ridge ないそくかじょうせん、ないそくじょうかじょうりょう [TA: A02.4.04.016] Feneis: 036 17 内側縁下端の角張った部分。内側上顆へ連なる。
(Processus supracondylaris)(顆上突起、上顆上突起)Supracondylar process かじょうとっき、じょうかじょうとっき [TA: A02.4.04.017] Feneis: 036 18 系統発生的に意味がある。内側上顆の上方に顆上突起があって内側上顆と靱帯で結合され、その靱帯から円回内筋が起こり、この靱帯の下を上腕動脈と正中神経が通ることがあるというが、日本人でははなはだ少ないという。
Margo lateralis(上腕骨の外側縁)Lateral margin of humerus じょうわんこつのがいそくえん [TA: A02.4.04.018] Feneis: 036 19 外側上顆からは比較的鋭い稜線が上方に延びて上腕骨体の外側縁を構成している。
Crista supraepicondylaris lateralis; Crista supracondylaris lateralis(外側顆上稜、外側上顆上稜)Medial supraepicondylar ridge がいそくかじょうりょう、がいそくじょうかじょうりょう [TA: A02.4.04.019] Feneis: 036 20 外側縁下端の角張った部分。外側上顆へ連なる。
Tuberositas deltoidea(三角筋粗面)Deltoid tuberosity さんかくきんのそめん [TA: A02.4.04.020] Feneis: 036 21 上腕骨の外側面では大結節稜の下端あたりから上腕骨体の中央にかけてV字状の三角筋粗面(三角筋が付く)がある。
| Condylus humeri(上腕骨顆)Condyle of humerus じょうわんこつか [TA: A02.4.04.021] Feneis: 036 22 |
内側上顆および外側上顆の間にある下端部を全体として上腕骨顆という。
Capitulum humeri(上腕骨小頭)Capitulum of humerus じょうわんこつしょうとう [TA: A02.4.04.022] Feneis: 036 23 上腕骨顆とは滑車の形をした上腕骨滑車と小半球状の上腕骨小頭からなる。上腕骨小頭は上腕骨の後面にはほとんど顔をだしていない。
Trochlea humeri(上腕骨滑車)Trochlea of humerus じょうわんこつかっしゃ [TA: A02.4.04.023] Feneis: 036 24 上腕骨滑車は後面からもよく観察できるが、内側上顆の後面で上腕骨滑車のすぐそばを尺骨神経が上下に走るための浅い不明瞭な溝(尺骨神経溝)がある。
Fossa olecrani(肘頭窩)Olecranon fossa ちゅうとうか [TA: A02.4.04.024] Feneis: 036 25 上腕骨の下端部の後面では、滑車のすぐ上方に長径3cm弱の楕円形の深いくぼみがあるが、ここは肘を伸ばしたときに尺骨の肘頭がはまりこむ場所なので肘頭窩とよばれる。
Fossa coronoidea(鈎突窩)Coronoid fossa こうとつか [TA: A02.4.04.025] Feneis: 036 26 上腕骨の下端部の前面には肘頭窩に相当して、これよりもはるかに上腕骨滑車の上に小さい鈎突窩とうくぼみがある(肘を曲げたときに尺骨の鈎状突起がはまる)。
Fossa radialis(橈骨窩)Radial fossa とうこつか [TA: A02.4.04.026] Feneis: 036 27 上腕骨下端部の前面に上腕骨小頭の上に橈骨窩がある(強く肘を曲げたときに橈骨頭の前の縁が入る)。
| Epicondylus medialis(上腕骨の内側上顆)Medial epicondyle of humerus じょうわんこつのないそくじょうか [TA: A02.4.04.027] Feneis: 036 28 |
上腕骨の下端部では、まず内側方に内側上顆が、外側方に外側上顆が突出している。内側上顆は指先でつまめるほどのおおきな突出であるが、外側上顆の突出は軽度である。
Sulcus nervi ulnaris(尺骨神経溝)Groove for ulnar nerve しゃくこつしんけいこう [TA: A02.4.04.028] Feneis: 036 29 内側上顆の後面には縦に走る尺骨神経溝がある。尺骨神経溝は内側上顆の下から上腕骨滑車の内側面を前方に回る深い切れ込みにつづく。
| Epicondylus lateralis(上腕骨の外側上顆)Lateral epicondyle of humerus じょうわんこつのがいそくじょうか [TA: A02.4.04.029] Feneis: 036 30 |
上腕骨小頭の外側にある隆起で、前腕伸筋が起こるところ。

最終更新日: 2009年8月25日