Os Ilium; Ilium(腸骨)Ilium ちょうこつ [TA: A02.5.01.101] Feneis: 042 10

 寛骨臼上部よりやや上方部の寛骨を形成する。下端のやや肉厚な寛骨臼付近が腸骨体で、扇状に拡がる上方部が腸骨翼である。腸骨翼の上縁が腸骨稜で、腸骨翼の内外2面との境の稜線がそれぞれ内唇・外唇、これらの間の粗な部分が中間線である。腸骨稜は上方に張り出し、中央やや後方寄りのところが最も高位にあって第3腰椎棘突起と第4腰椎棘突起の間に相当する。また前方で内面に凹、後方で外面に凹のS字状を呈す。幅は中央部が狭く前方と後方で広い。腸骨稜が前縁に移行することで、前下方に突出する丸みを帯びた部分が上前腸骨棘である。この下方の浅い陥凹を隔てて前下方へ突出する部分が下前腸骨棘である。腸骨稜と後縁の境で後方へ突出する部分が下腸骨棘である。腸骨稜と後縁の境で後方へ突出する部分が上後腸骨棘で、この直下の浅い陥凹を隔てて幅広く突出する部分が下後腸骨棘である。下後腸骨棘直下で、坐骨後縁とともに深い切れ込みを呈する部分が大坐骨切痕である。腸骨の内面で、後上方(腸骨稜後方1/3位)から前下方恥骨上肢へ向かう隆線が弓状線で、前上方部の平滑で浅い陥凹を示す腸骨窩と、後下方部の粗な部分である仙骨盤面との境をなす。仙骨盤面では、上方の粗面が腸骨粗面、下方の耳介状を呈し、仙骨との関節面をなす部分が耳状面である。大坐骨切痕に面する平滑な部分は小骨盤側壁をなす。腸骨の外面で寛骨臼縁より上部が粗面状の臀筋面あり、前方で軽く外方へ張り出し後方で陥凹している。前上方から後下方へ向かう3本の隆線が臀筋線で、前殿筋線は最も長く、腸骨稜の前方約1/4から後下方大坐骨切痕上縁の中央部へ向かう。後臀筋線は最も短く、上後腸骨棘のの少し前方から下後腸骨棘の少し前方にいたる。下臀筋線は下前腸骨棘の少し上方から後下方へ向かい、大坐骨切痕の尖端近くに達する。

寛骨の発生

 3個の骨原基があって、腸骨のものは第3胎児月、坐骨のそれは第4〜5胎児月、恥骨のそれは第5〜6胎児月に現れる。これら3つの原基の融合は寛骨臼の真ん中でY字形をなして起こる。寛骨窩の内部では10〜12歳にかけて、もう1個ないし数個の固有の骨核が現れる(寛骨臼骨Os acetabuli)。腸骨、坐骨、恥骨の骨結合は5〜7歳の間に起こるが、寛骨臼の内部では15〜16歳になってやっと起こる。骨端の骨原基は棘のところ(16歳)、坐骨結節(13〜15歳)、および腸骨稜(13〜15歳)にみられる。

骨(骨格系)
一般用語
頭蓋
頭蓋骨
脊柱
胸郭骨
上肢骨
自由上肢骨
手の骨
下肢骨
自由下肢骨(自由下肢部)
足の骨(足骨) 
下肢骨 (骨盤帯(下肢帯)、仙骨[第一仙椎〜第五仙椎])
寛骨
寛骨臼、寛骨臼唇(寛骨臼縁)、寛骨臼窩、寛骨臼切痕、月状面、坐骨恥骨枝、閉鎖孔、大坐骨切痕
腸骨
腸骨体寛骨臼上溝腸骨翼弓状線腸骨稜外唇腸骨結節中間線内唇上前腸骨棘下前腸骨棘上後腸骨棘下後腸骨棘腸骨窩臀筋面(殿筋面)前臀筋線(前殿筋線)後臀筋線(後殿筋線)下臀筋線(下殿筋線)仙骨盤面耳状面腸骨粗面
坐骨
坐骨体、坐骨枝、坐骨結節、坐骨棘、小坐骨切痕
恥骨
恥骨体、恥骨結節、、恥骨接合面、恥骨稜、恥骨上枝、腸恥隆起、恥骨櫛、閉鎖稜、閉鎖溝、前閉鎖結節、(後閉鎖結節)、恥骨下枝
骨盤
骨盤腔、恥骨弓、恥骨下角、大骨盤、小骨盤、分界線(骨盤縁、腸骨恥骨線)、骨盤上口、骨盤下口、骨盤軸、横径、斜径、解剖学的結合線、真結合線(産科学的結合線)、対角真結合線、直結合線(骨盤下口の結合線)、正中結合線、外結合線、棘間径、腸骨稜間径、大転子間径、骨盤傾斜

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Corpus ossis ilii(腸骨体)Body of ilium ちょうこつたい [TA: A02.5.01.102] Feneis: 042 11

 腸骨の下部をなす腸骨体は寛骨臼の上半分を作り、これから上方にひろがる大きな扁平部が腸骨翼であるが、体と翼の境界は明確には定めにくい。

 

Sulcus supraacetabularis(寛骨臼上溝)Supra-acetabular groove かんこつきゅうじょうこう [TA: A02.5.01.103] Feneis: 042 12

 寛骨臼縁の後ろ上方と腸骨体の間にある溝で、ここから大腿直筋の反転頭が起こる。

 

Ala ossis ilii(腸骨翼)Ala of ilium ちょうこつよく [TA: A02.5.01.104] Feneis: 042 13

 寛骨翼は腸骨体から上方に拡がる扁平部で、その上縁はやや厚い腸骨稜となる。

 

Linea arcuata(腸骨の弓状線)Arcuate line of ilium ちょうこつのきゅうじょうせん [TA: A02.5.01.105] Feneis: 042 14

 弓状線は向きの異なる腸骨窩と仙骨盤面の合するところに生ずる稜線で、腸骨の内側面で耳状面の前縁の付近から前下方に走り、その前端は恥骨の上縁に達して鋭い恥骨櫛をつくる。

 

Crista iliaca(腸骨稜)Iliac crest ちょうこつりょう [TA: A02.5.01.106] Feneis: 042 15

 腸骨翼の上縁は腸骨稜であるが、これを上方から見るとS字状に弯曲し、中央1/3の部分はかなり薄くなっている。

 

Labium externum(腸骨稜の外唇)Outer lip of iliac crest ちょうこつりょうのがいしん [TA: A02.5.01.107] Feneis: 042 16

 腸骨稜が腸骨翼外面に移る縁を外唇、同内面に移る縁を内唇、両唇の間の最も高い隆起線を中間線という。外唇からは外腹斜筋が起こる。

 

Tuberculum iliacum(腸骨稜の腸骨結節)Tuberculum of iliac crest ちょうこつりょうのちょうこつけっせつ [TA: A02.5.01.108] Feneis: 042 17

 上前腸骨棘の後方5cmにあり、前臀筋線と腸骨稜とが出会う部位にある外唇の隆起。触れることができる。

 

Linea intermedia(腸骨稜の中間線)Intermediate zone of iliac crest ちょうこつりょうのちゅうかんせん [TA: A02.5.01.109] Feneis: 042 18

 腸骨稜が腸骨翼外面に移る縁を外唇、同内面に移る縁を内唇、両唇の間の最も高い隆起線を中間線という。中間線から内腹斜筋が起こる。

 

Labium internum(腸骨稜の内唇)Inner lip of iliac crest ちょうこつりょうのないしん [TA: A02.5.01.110] Feneis: 042 19

 腸骨稜が腸骨翼外面に移る縁を外唇、同内面に移る縁を内唇、両唇の間の最も高い隆起線を中間線という。内唇から腹横筋が起こる。

 

Spina iliaca anterior superior(上前腸骨棘)Anterior superior iliac spine じょうぜんちょうこつきょく [TA: A02.5.01.111] Feneis: 042 20

 腸骨稜の前端は鈍円な突起として大きく突出し、上前腸骨棘として体表上からもよく触れる。大腿筋膜張筋および縫工筋が起こる。

 

Spina iliaca anterior inferior(下前腸骨棘)Anterior inferior iliac spine かぜんちょうこつきょく [TA: A02.5.01.112] Feneis: 042 21

 腸骨稜の前縁は上前腸骨棘にはじまり、その下にくぼんだ部を隔てて下前腸骨棘があり、それから寛骨臼の前上縁に達する。

 

Spina iliaca posterior superior(上後腸骨棘)Posterior superior iliac spine じょうこうちょうこつきょく [TA: A02.5.01.113] Feneis: 042 22

 腸骨稜の後端は後方に突出して上後腸骨棘となる。

 

Spina iliaca posterior inferior(下後腸骨棘)Posterior inferior iliac spine かこうちょうこつきょく [TA: A02.5.01.114] Feneis: 042 23

 腸骨稜の後縁は上端が上後腸骨棘で、次に少し下がって下後腸骨棘がある。

 

Fossa iliaca(腸骨窩)Iliac fossa ちょうこつか [TA: A02.5.01.115] Feneis: 042 24

 腸骨翼の内側面の前2/3は浅く窪んだ平滑な部分で腸骨筋が起こることで腸骨窩という。

 

Facies glutea(腸骨の殿筋面、腸骨の臀筋面)Gluteal surface of ilium ちょうこつのでんきんめん [TA: A02.5.01.116] Feneis: 042 25

 腸骨の外面は前半部が少しふくれ後半部が弱くくぼむ。主として臀筋群のおこる臀筋面である。

 

Linea glutea anterior(前殿筋線、前臀筋線)Anterior gluteal line ぜんでんきんせん [TA: A02.5.01.117] Feneis: 042 26

 臀筋面には、ほぼ前上方から後下方に向かって走る3線があり、その中央のものは最も長く、この面の上縁前部から起こって弓状に後縁下部の大坐骨切痕に向かい、これを前殿筋線という。これより後方にあるものは最も短く、後上隅に起こって下方に向う後臀筋線である。他の1線は下日宇にあって、前縁上部から起こって寛骨臼の上を通り後下方に向かい、これを下臀筋線という。これらは臀筋の表面の腱状の線維の付着によって生ずるもので、後臀筋線の後方の面から大臀筋、後臀筋線と前臀筋線と下臀筋線との間から小臀筋が起こる。下臀筋線と寛骨臼との間で大腿直筋が起こるところは寛骨臼縁後上方に浅いへこみをつくる。

 

Linea glutea posterior(後臀筋線、後殿筋線)Posterior gluteal line こうでんきんせん [TA: A02.5.01.118] Feneis: 042 27

 前殿筋線より後方にあるものは最も短く、後上隅に起こって下方に向かう後臀筋線である。

 

Linea glutea inferior(下殿筋線、下臀筋線)Inferior gluteal line かでんきんせん [TA: A02.5.01.119] Feneis: 042 28

 臀筋面の下方にあって、寛骨臼の上方から起こって間骨弓の上を通り後下方に向かう下臀筋線がある。

 

Facies sacropelvica(腸骨の仙骨盤面)Sacropelvic surface of ilium ちょうこつのせんこつばんめん [TA: A02.5.01.120] Feneis: 042 29

 腸骨翼の内側面の後1/3は表面がデコボコしている部分を仙骨盤面と呼ぶ。

 

Facies auricularis(腸骨の耳状面)Auricular surface of ilium ちょうこつのじじょうめん [TA: A02.5.01.121] Feneis: 042 30

 仙骨盤面の前下半分は耳の形をした耳状面がある。

 

Tuberositas iliaca(腸骨粗面)Iliac tuberosity ちょうこつそめん [TA: A02.5.01.122] Feneis: 042 31

 腸骨の耳状面より後上方の部は仙骨の外側部との隙間を埋める靱帯が着く腸骨粗面で、はだはだ粗である。

最終更新日:2002年09月13日

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