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集中治療医学関連疾患の概念と治療法の基礎知識
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│腹臥位│Intrapulmonary shunt & Permissive hypercapnia│
│Ventilator-associated pneumonia│気管支鏡&BALの有用性│鎮痛鎮静法│
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以下の内容はGICU抄読会で取り上げた論文を基本に作成している。
詳細は原文を参照されたい。
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| 腹臥位: |
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ARDSなどの急性呼吸不全に対する呼吸補助法として、人工呼吸に加え腹臥位など体位変換による酸素化の改善が注目されている。ARDS早期では虚脱しやすい肺胞が血管透過性亢進による自重増加により、特に背側が無気肺となりやすい。また、急性肺水腫を腹臥位で管理すると、肺酸素化が30分以内に改善し、6〜12時間持続する。早期ARDSで15例中12例が腹臥位後30分以内に酸素化改善、48時間改善傾向が持続し、残りの3例も2時間後くらいから改善した。換気・血流比の改善のほか、closing volumeの減少、心臓により圧排される左肺下葉換気の改善などが指摘されている。
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(AJRCCM 2000;161:360) |
| ALI/ARDS患者を対象に腹臥位の効果を検討した多施設臨床試験。対象患者は304名で仰臥位群と腹臥位群152名ずつで、腹臥位は1日6時間以上10日間にわたり施行した。その結果PaO2/FIO2 ratioは腹臥位群で63.0±66.8に対し仰臥位群で44.6±68.2と有意に高かったが、生存率に差はなかった。腹臥位施行中に大きな合併症はなかったが、...routine use of prone position in patients with ARDS is not justified...と結論している。
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| (NEJM 2001;345:568) |
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| Intrapulmonary shunt & Permissive hypercapnia: |
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ベルギーのグループは、8名のARDS患者を対象にInert gasを用いて経時的に肺内シャントを測定し、Permissive hypercapniaが及ぼすガス交換への影響を調べた。測定は(1)高TV、(2)低TVならびに(3)高TVにドブタミン持続静注により心拍出量を(2)と同じにした場合で行った。その結果、(2)のPermissive hypercapniaではPaO2は有意に低下し、その原因は心拍出量を増加して換気血流比VA/Qを変化させ、シャントを著しく増加させる一方、肺胞換気を低下することによると示した。
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(AJRCCM 2000;162:209) |
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| Ventilator-associated pneumonia: |
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重症患者の院内肺炎では、病原菌が患者の体外から侵入するよりも、患者自身の口腔、咽頭の分泌液の誤嚥により病原性細菌が気管内に流入する経路がより重要である。胃および小腸はこのような好気性細菌の培養嚢になっている。特に人工呼吸管理中では口腔、咽頭、上部消化管の細菌が気管内チューブのカフを超えて気管内に流入し、いわゆるventilator-associated pneumonia(VAP)を惹き起こす。その発生率は人工呼吸を48時間以上継続している患者の20〜30%に起き、死亡率は50%を超える場合がある。
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| (ARRD 1997;156:1647, JAMA 1996;275:866) |
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VAPの起炎菌同定は適切な抗生剤の選択につながり、その診断技術の確立が必要である。人工呼吸48時間以上となり、臨床的にVAPが疑われる患者413名を対象に、気管内吸引による喀痰培養を行う群と侵襲的なブラッシングと気管気管支洗浄を行う群で診断能力の差をフランスのグループが無作為多施設臨床試験で検討した。その結果、侵襲的診断に基く治療群で14日死亡率、多臓器不全スコア、抗生物質使用日数などが有意に低く、侵襲的診断の有用性を示唆している。
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VAPの起炎菌同定は適切な抗生剤の選択につながり、その診断技術の確立が必要である。人工呼吸48時間以上となり、臨床的にVAPが疑われる患者413名を対象に、気管内吸引による喀痰培養を行う群と侵襲的なブラッシングと気管気管支洗浄を行う群で診断能力の差をフランスのグループが無作為多施設臨床試験で検討した。その結果、侵襲的診断に基く治療群で14日死亡率、多臓器不全スコア、抗生物質使用日数などが有意に低く、侵襲的診断の有用性を示唆している。
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| (Ann Intern Med 2000;132:621) |
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これに対し、76名のVAP患者を対象に非侵襲的喀痰培養と侵襲的ブラッシング&気管気管支洗浄でその診断能力の差を一施設のICUで調べた結果、起因菌診断力に差はなく、ICU滞在期間、人工呼吸期間および死亡率に差がなかった。したがって、医療コストと侵襲的操作を考慮すれば、VAP診断には非侵襲的診断法が優れていると結論している。
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| (AJRCCM 2000;162:119) |
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口腔内細菌除去によるVAP予防に関する二重盲検臨床試験がある。患者87名に予防的抗生物質(gentamicin/colistin/vancomycin)6時間毎局所塗布、他139名のうち78名がPlacebo塗布、61名が無処置の3群で比較検討した。その結果、予防的処置群でVAP発生頻度は10%であったのに対し、Placebo群で31%、無処置群で23%と処置<無処置<Placebo塗布の順で有意に発生頻度が低かった。胃・消化管内細菌除去ではなく口腔内に限定した最初の臨床試験で、局所的な処置によりVAP発生を軽減できることを示した。
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| (AJRCCM 2001;164:382) |
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| 気管支鏡&BALの有用性: |
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骨髄移植後の好中球減少期間に肺浸潤巣は30〜40%に見られ、その死亡率を減らすためには早期診断、早期治療がよい。好中球減少のICU患者93名に気管支肺胞洗浄(BAL)を行いその有用性を検討した。患者はhigh dose化学療法群(41)と幹細胞移植群(52)の2群に分かれ、high dose化学療法患者41名中26名、幹細胞移植患者52名中20名がBALにより診断がついた。肺炎の微生物的な原因と胸部X線所見には相関関係がない。
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| (CCM 2000;28:2224) |
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| 鎮痛鎮静法: |
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Ramsay Sedation Scale / score
レベル1:
不安が強い、興奮している、またはそわそわして落ち着きがない。
レベル2:
患者は目覚めており、診療に協力的、オリエンテーション*良好、落ち着きがある。
*自分のおかれている時間的、空間的、人間関係的状況の理解
レベル3:
患者は一応目覚めているが、指示に対してのみ応答する程度である。
レベル4:
患者は眠っているが、眉間を軽く大声での呼びかけに、すばやく反応する。
レベル5:
患者は眠っており、眉間を軽く大声での呼びかけに、ゆっくりと反応する。
レベル6:
患者は眠っており、眉間を軽く大声での呼びかけに反応しない。
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| (BMJ 1974;2:656) |
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人工呼吸管理中の鎮静を医師が決定した症例(非プロトコール群 159例)と看護婦がプロトコールに従って投与した症例(プロトコール群 162例)を比較した検討によると、合併症発生率・死亡率・再挿管・投与薬剤は両群間で差はなかったが、人工呼吸期間・ICU滞在期間・入院期間がプロトコール群で有意に短かった。プロトコール導入により医師の指示を待つことなく迅速な鎮静を調節し、人工呼吸期間の短縮が可能となると指摘している。
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| (CCM 1999;27:2609) |
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1992年SCCMは短期(24時間以内)ではミダゾラムまたはプロポフォール、長期(24時間以上)ではロラゼパム、他に譫妄に対してハロペリドールの使用を推奨しているが、現在ほとんどのICUでSCCMの推奨通りには使用されていない。Marliesらは1980年から1998年6月までの報告例をまとめ、短期の鎮静ではプロポフォール、ミダゾラムに質、人工呼吸時間に有意差ないなど結果はさまざまである。
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| (JAMA 2000;283:1451) |
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