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| 先天性心疾患の概略 |
これから手術の対象となりうる各疾患について述べます。(但しこれらは大半の場合に当てはまることであり、例外は多数存在することを申し添えます。)
| 1. 心房中隔欠損 |
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左右の心房の仕切りに穴があいている病気です。4−6才で手術することがもっとも一般的です。手術では人工心肺を用いて右心房の壁を切開して穴に到達し、多くの場合は直接かがり縫いをして閉じます。小切開手術も導入しています。体重が40kg以上の患者さんには最も進んだ心臓手術法のポートアクセス法で手術をして患者さんから大変喜ばれています。 |
| 2. 心室中隔欠損 |
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左右の心室の仕切りに穴があいている病気です。穴の大きさと位置によって手術の年齢も2ヶ月から成人まで大きく異なります。手術では人工心肺を用いて右心房または肺動脈の壁を切開して穴に到達し、多くの場合はパッチ(充てもの)を穴の縁に縫い付けることによって閉じます。大部分は1度の根治手術で直ります。肺動脈絞扼(バンド)術は、体重が1.5kg未満やRSビールス感染後の場合など非常に特殊な場合にしか行いません。
場合により小切開手術も導入しています。 |
| 3. 心内膜床欠損 |
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左右の心房や心室、またはその両方の仕切りに穴があき、かつ心房と心室の間にある弁(僧帽弁や三尖弁に相当)の形が異常な病気です。ダウン症のお子さんに多く見られます。手術では人工心肺を用いて右心房の壁を切開して、これらの弁を修復して、パッチ(充て布)をそれぞれの穴の縁に縫い付けることによって閉じます。生後3-4ヶ月ぐらいが手術時期として最適です。 |
| 4. ファロー四徴症 |
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a. 肺動脈閉鎖
b. 肺動脈狭窄
c. 肺動脈弁欠損 |
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左右の心室間のしきいに大動脈が跨る形の心臓です。右心室の出口から肺動脈は細いか途切れてしまっているかになっています。根治(修復)術は、心室中隔欠損をパッチ(充て布)で閉じ、右心室の出口を広げる手術です。できるだけ1歳になる前の早い時期に、1回の手術で根治(修復)術をする方針ですが、肺動脈や左心室の発育が極度に悪い場合やチアノーゼの程度が強い場合にはシャント手術をはさむことがあります。この場合にも次に予定する手術と同様、胸骨正中切開で行うようにしています。
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| 5. 心室中隔欠損を伴わない肺動脈閉鎖 |
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| 6. 動脈管開存 |
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左側の胸を切開して到達し、動脈管をクリップ(留め金具)などで閉じます。 |
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| 7. 大動脈縮窄および大動脈弓離断 |
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この疾患だけの場合には左側の胸を切開して到達し、大動脈の狭いまたは途切れている場所を切除して大動脈の太い場所でつなぎなおす手術を行います。心内の合併奇形とともにみられることがよくあり、このときにはそれらとともに一度に修復手術を行います。
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| 8. 血管輪 |
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| 9. 両大血管右室起始 |
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| 10.大血管転位 |
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生後1−2ヶ月以内に手術を必要とすることが多い、重症の疾患です。肺動脈へのルートが狭くなければ、ジャテーン手術(大血管スイッチ手術)といって大動脈と肺動脈を一旦切断し、スイッチしてまたつなぎなおし、冠動脈を移植する手術を行います。肺動脈へのルートが狭ければラステリ手術といって導管を用いて右心室と肺動脈の間の再建をする手術をします。
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| 11.総動脈幹 |
| 12.総肺静脈還流異常 |
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生後1週間以内に緊急手術を必要とすることが多い重症の疾患です。肺静脈と左心房をつなぎなおす手術を行います。
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| 13.部分肺静脈還流異常 |
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| 14.先天性心臓弁膜疾患 |
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a. 大動脈弁狭窄、閉鎖不全
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ロス手術といって患者さん自身の肺動脈を弁ごとくりぬいて大動脈弁として移植し冠動脈もつなぎなおして肺動脈は各種の材料を用いて再建する手術がすることがあります。 |
b. 僧帽弁狭窄、閉鎖不全
c. 肺動脈弁狭窄
d. 三尖弁閉鎖不全
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| 15.ヴァルサルバ洞動脈瘤 |
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| 16.単心室およびその類縁疾患 |
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両方向グレン手術を生後6−12ヶ月で行い、その1年後にフォンタン手術を行うという基本的な治療戦略を採用しています。これらの疾患の最終的手術であるフォンタン手術では右心室をバイパスしてしまうことによりチアノーゼと心室の負担が取れるというものです。現在では心外導管を用いて下半身の静脈血を肺動脈へと導いています。 |
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a. 単心室
c. 三尖弁閉鎖
c. 無脾症、多脾症に伴うもの
d. 左心低形成症候群 |
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ノルウッド手術という最も難易度の高い手術を要する重症の疾患です。こののち上記のように2度の手術(計3回)を行います。
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よくある質問 FAQ
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A 人工心肺って何ですか? |
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B 人工心肺にはどんなリスクがありますか? |
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C どういった人が人工心肺装置を運転するのでしょうか? |
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D 小児の心臓血管外科の手術ではどこを切りますか? |
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E 術後の経過が順調な場合の入院期間はどれぐらいですか? |
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F 手術で用いられる人工物には問題はないのでしょうか? |
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G なぜ心臓の手術には血液が特に重要なのですか? |
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H 無輸血でも脳は大丈夫ですか? |
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I 心臓の手術ではいつ血液が必要になるのですか? |
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J 輸血を使うことのリスクはどんなものですか? |
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| 2004年現在の動向 |
| 1.単純な先天性心疾患 |
動脈管開存、心房中隔欠損、心室中隔欠損、などの単純な疾患での手術死亡は皆無となり、長期予後も良好です。体重8kgを超える患者さんでは無輸血充填体外循環とし、多くは無輸血手術となっています。従来の胸骨正中切開よりも皮膚切開が格段に小さくかつ首から遠ざけて美容上優れている到達術式(小切開手術)も導入しています。
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2.複雑な先天性心疾患 |
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約半数を占める新生児、乳児の複雑先天性心疾患の機能的修復手術に積極的に取り組んでいます。新生児に開心術を必要とする最も重症なものでも最近10年間による手術手技、術中術後の循環や呼吸の制御技術、人工心肺の技術の飛躍的な進歩により、成績は格段に向上しました。心室が2つあれば複雑先天性心疾患であってもいきなり根治手術を行うことで、1歳になる前のできるだけ早い時期に、普通の心臓と同様の血の流れに治してチアノーゼや心不全を除去するようにしています。肺血流の足りない疾患に対するブレロック手術や逆に肺血流の多すぎる疾患に対する肺動脈バンド術などの姑息手術(左右どちらかの胸を切開することが多い)は特殊な例を除いて施行しなくなり、傷も一箇所で済むようになりました。単心室およびその類縁疾患以外は2度3度の手術が必要ですが、それでも2歳までには根治手術を終えられるように治療計画を立てています。具体的には、大血管転位に対するジャテーネ手術、単心室に対するフォンタン手術(TCPC)や両方向性上大静脈肺動脈シャント手術(BCPS)、左心低形成症候群に対するノルウッド手術、大動脈弁輪狭小例に対する弁輪拡大術やホモグラフト(人の弁)移植術や自己肺動脈弁移植術(ロス手術)などに特に力を注いでいます。
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