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産科

不妊症の患者様は、初診@番外来を受診されて以降、原則的に不妊症一般検査を受けていただくことになります。不妊一般検査をスケジュールに沿って進めていくにあたり、ある程度患者様の判断が必要になる部分もありますので、検査内容・検査の意味・施行時期・検査場所を事前に理解していただく必要があります。したがって当科では不妊一般検査を実施する前に不妊学級という講義を必ず受講していただいております。

<開催曜日・場所>

  • 毎週火曜日(祝日・休日は除く)の午後3時から産婦人科外来待合室にて開催しております。
  • 不妊学級受講後に登録をさせていただき、これ以後検査・治療が開始されることになります。
  • 不妊学級受講には予約の必要はありません。また会計もありません。
男性 精液検査 4〜5日禁欲後 精子数・運動率など 17番外来
精液検査を受けられる方は、所定の容器
(12番外来、17番外来からご自由にお持ち下さい)に精液を採取して外来17番の検査ラックに提出して下さい
女性 子宮頸部細胞診 初診時 子宮頸癌スクリーニング 12番外来
一般血液検査
クラミジア検査
初診時 貧血・炎症反応
クラミジア感染の有無
採血室
(1階)
子宮内膜
黄体機能検査
高温期7〜 10日目 黄体機能 17番外来
感染症検査 随時 感染症の有無(梅毒、B型
C型肝炎ウイルス、HIV)
採血室
(1階)
卵管検査
子宮腔内検査
月経終了後低温期 卵管通過性・子宮形態 17番外来
12番外来
排卵予測検査 予定排卵日の3〜4日前 排卵期の推定 17番外来
フーナーテスト 予定排卵日の3〜5日
前から禁欲して、排卵
日に性交渉の後来院
精子通過性 17番外来
         
<男性の検査>
  精液検査
  精液の性状、精液量、精子濃度(精子の数)、運動率、奇形率等を検査します。3〜5日の禁欲期間の後に用手法にて採取していただきます。精液所見は日によって変動が大きいことがあるので、再検査をお願いすることがあります。
  採取容器は12番外来、17番外来に置いてあるものをお持ち帰り頂いてご利用下さい。
  提出場所は17番外来にあります。
  精子は生きている細胞であり、その活動状況や全体量を検査するものです。生きた細胞に好ましくない対応や、射精量の計測に好ましくない対応は避けて下さい。これまで性交渉の最中の採取、前夜の採取、コンドーム(殺細胞能力がある)を使った採取、持参までに冷蔵庫で冷やす、カイロで温めるなどをされ、再検査になられたケースがあります。
  男性の検査ですので、性周期とは関係なく随時検査可能です。本検査が終了していないと、最後のフーナーテストが施行できません。また、再検査になることも少なくないので、早い時期に検査を済ませていただきます。
   
<女性の検査>
  基礎体温の計測
  基礎体温とは、朝目覚めた時の活動前の体温です。目覚めた際に、起き上がる前の臥床のままの舌下温を、婦人体温計を用いて計測します。正常月経周期の卵胞期(排卵の前)には低温を示し、黄体期(排卵の後)には黄体ホルモンの影響で高温となります。古くから排卵や黄体機能の指標とされ、簡便、安価に月経周期を判定できます。不妊の治療には大事なデータですので、診察時には基礎体温表を必ずお持ち下さい。基礎体温表には体温だけを記載するのではなく、おりものの状態、出血・腹痛の有無など体に起きたことを記入しておくと役立つことがあります。
  外来では毎回使用しますので、基礎体温表を必ず持参して下さい。
   
  一般血液検査・クラミジア検査
  貧血、炎症反応、クラミジア感染の有無の検査です。クラミジア感染により子宮頸部や卵管に炎症を起こすことがあります。卵管に炎症が起きると卵管が詰まったり癒着したりすることで不妊の原因となりえます。クラミジア感染は症状がないことも多く、性行為による感染が広がりやすい傾向があります。近年若い女性に多く、不妊の原因として重要視されています。
   
  子宮内膜・黄体機能検査
  着床の時期にあたる、高温期の7〜10日目に行います。
  子宮内膜の組織診断と、採血によるホルモン検査(黄体ホルモン値)を行います。
  子宮内膜の組織診断は、子宮の内膜を少量採取して顕微鏡で検査します。着床に適しているか
(黄体の機能や性器結核や悪性疾患の有無)どうかを調べます。検査後当日の入浴はシャワーのみとして下さい。
  子宮内膜の組織検査により性器出血が起こりますので、日頃お使いの生理用品を持参して下さい。
  排卵がおこると卵巣に黄体がつくられ、黄体ホルモンが分泌されます。分泌が少ないと基礎体温の高温期が短くなったり温度差が小さくなったりします。着床に欠かせないこのホルモンの値を内膜採取と同じ日に採血で調べます。
   
  感染症検査
  梅毒、B型・C型肝炎ウイルス、HIVの感染の有無をチェックします。院内感染予防という見地からも必須な検査であり、また妊娠するに当たっても大事な情報になります。
  随時検査可能ですが、上記の黄体ホルモン採血と同時に行い、採血の回数を減らすようにしています。
   
  卵管検査 ・子宮腔内検査(子宮卵管造影/子宮鏡検査)
  月経が終了した後、できれば低温期すなわち排卵前までに行います。
   着床の場である子宮腔内の形態的な異常の有無や、受精の場である卵管の疎通性(通りのよさ)を調べます。
  検査当日は、出血がないこと・妊娠の可能性がないこと(月経後検査までの避妊が必要です)・クラミジア感染がないこと(あっても治療がなされていること)・体調が悪くないことが必要条件です。
   
  子宮卵管造影は子宮の入り口から造影剤を注入して、子宮、卵管を造影し、レントゲン写真をとる検査です。これにより子宮の形の異常や卵管の形や通過性、腹腔内に流出した造影剤の24時間後の状態をみることで腹腔内の癒着の有無を調べることができます。またこの検査で卵管の通りが良くなり妊娠しやすくなることもあります。
  腹痛や出血を伴います。日頃お使いの生理用品を持参して下さい。
   
  子宮鏡検査は、子宮鏡という胃カメラを小さくしたような内視鏡で、直接子宮の内部を観察する検査です。これにより子宮内腔の形態異常(子宮筋腫、子宮内膜ポリープなどの腫瘤や、子宮中隔などの子宮奇形)がわかります。また、子宮鏡の中にさらに細いチューブをセットすることが出来るので、卵管の入口にチューブを挿入し、生理食塩水を流し込むことで卵管の疎通性(通りのよさ)を左右別々に調べることも出来ます。
  検査ではふだん閉じている子宮腔内をふくらませないと観察できないので、二酸化炭素のガスを送り込みながら行います。ガスは一部お腹の中に逃げて行きますが、このガスの刺激で一時的に(15〜30分程度)肩がこることがあります。その場合はベッドで少しお休み頂くと楽になります。
   
  排卵予測検査
  基礎体温表から次の排卵日を予測し、その数日前に行います。
  排卵前には精子の受け入れが良くなるようにおりものが変化します。排卵に向けて卵胞が成熟していくと女性ホルモンが増加していきます。これにより子宮内膜が厚くなるとともに頸管粘液が増量します。頸管粘液はおりものとして自覚することができますので基礎体温表に自分なりの評価を記入しておくと良いでしょう。この頸管粘液を採取しその量と性状を顕微鏡で検査します。
 

卵子自体は0.1mm程度の大きさなので肉眼で見ることはできませんが、卵子を含んでいる卵胞という袋はその成長の過程を超音波検査で確認することができます。卵胞は排卵に近づくにつれ大きさを増し、約18mmを超えてくると排卵が近いと判断することができます。超音波で卵胞を計測することで排卵の時期を推定します。

   
  フーナーテスト(性交後試験)
  上記の排卵予測検査を通じて、排卵日を推測されると、その予測日の来院前に性交していただき、その数時間以内に腟・子宮の入り口付近の粘液・子宮内容を採取します。各々の検体を顕微鏡で観察し、運動している精子の状態を調べます。
  活動的な精子細胞が腟内から子宮腔内へと移動して行く能力を観察する検査です。射精される精子の成績によっても本試験の結果が左右されるので、精液検査同様、3〜5日の禁欲期間の後で行うようにします。